ガイア動物病院|犬・猫・うさぎ・フェレット・エキゾチックアニマル|杉並区・中野区・阿佐ヶ谷・下井草・鷺ノ宮

[診療科目]先進医療・再生医療

再生医療

再生医療

再生医療(細胞治療)とは、自分自身の細胞を体外で培養し、病気や怪我の治療に役立てる治療法を再生医療(細胞治療)と言います。これまで、治療法が存在しなかった病気などに対する新しい治療法として注目され、世界中で研究が行われています。ヒト医療においては、厚生労働省の先進医療に認定されており、すでに大学病院や医療機関などの臨床現場おいて利用が始まっている治療方法でもあります。
再生医療は、本人から採取した細胞を体の外で増やし、生理活性物質や細胞が増えるための足場を加えることで、目的にあった細胞に変化(分化といいます)させた後に、本人に移植することが基本になります。

当院では、下記の細胞治療を行なっております。

  • がん免疫療法(CAT療法)
  • がん免疫療法幹細胞療法(脂肪幹細胞療法)

動物には病気や怪我に対して自分で治そうとする免疫力(白血球のリンパ球)という自然治癒力が備わっており、体内にできたがん細胞や体の中に侵入した細菌やウイルスを攻撃して死滅させます。免疫細胞療法は、このような生まれつき備わっている免疫の力を利用したり、免疫の力を強めたりすることで、がんの発症や進行を抑える治療方法です。
がんの治療には、外科手術・化学療法・放射線療法の三大療法がこれまで主流を占めてきました。これに継ぐ第4の療法として、またがん治療特有の苦痛を伴わない普通の生活を送れるようなQOL(Quality of Life)の改善を高める治療法として、がん免疫療法は、世界中で研究され、臨床的な効果が得られる治療法になりました。

癌の三大療法と第4の治療法「細胞免疫療法」

癌の三大療法と第4の治療法「細胞免疫療法」

免疫細胞療法の4つの特徴

  1. 副作用がほとんどない

    自らのリンパ球を増殖して投与するので、拒絶反応など、副作用の心配がほとんどありません。だからどのような段階のガンであっても、また、患者さんの体の衰弱が激しくても、長期にわたって安心して使うことができます。また抗ガン剤や放射線療法との併用効果についても研究されており、免疫力強化や副作用の軽減などが報告されています。患者さんにとって最大の利点です。

  2. 延命効果が見られる

    現在、免疫療法を行っている患者様の中には末期ガンと呼ばれる段階の方が多くいらっしゃいます。その半数以上は、体が弱りきっていたりガンの転移が広範囲に及んでいたりして、手術療法や放射線療法などの治療法を選択できません。抗ガン剤などで、体を痛めつけるのではなく、なるべく癌を大きくしないことに主眼をおいた治療法になります。

  3. 症状の改善が期待できる

    ガンが進行すると痛みや貧血など、患者さんにとって大変つらい自覚症状が現れますが、免疫療法にはこうした苦痛をやわらげる作用があります。自覚症状が改善されることで、たとえ体内にガンが残っていたとしても、患者さんは通常の生活を送ることができるようになります。食欲がなく体重の減少が見られるような症例でも、リンパ球投与後に食欲が戻り体重が増加するような効果が期待できます。

  4. 他の療法との相乗効果

    手術後の再発予防のみならず、他の治療方法との併用による相乗効果が期待できます。化学療法、放射線療法、さらには漢方療法、温熱療法などの様々な治療法との併用で効果を上げている症例があります。他の治療法による副作用の軽減といった効果も期待できます。

活性化リンパ球療法

癌の三大療法と第4の治療法「細胞免疫療法」

イヌ、ネコの血液(10-12ml)からリンパ球を回収し、薬剤を加えてリンパ球の活性化・増殖を行ないます。その後、およそ1,000倍に増えたリンパ球を洗浄・回収し、点滴で体内に戻します。

よくあるご質問

  • がんは治りますか?

    免疫療法では、進行がんや末期がんは完全に治すのは難しいと言われています。一方、がんの進行を止めたり、再発防止する効果、QOL(生活の質)を改善する効果は大いに期待できます。がんは再発が最も恐ろしいことですので、手術後にがんの再発を防止することは効果的な治療であると考えられます。

  • 副作用はありますか?

    副作用は軽い発熱がたまにみられる程度です。自己のリンパ球ですので、重篤な副作用の報告はありません。

  • 投与頻度はどのくらいですか?

    投与の間隔、回数は、病状を見て相談して決めます。標準的な治療では、2週間に一回投与となります。

  • 他の治療との併用はできますか?

    可能です。抗がん剤や、放射線治療、あるいは漢方療法等との併用は、お互いの治療タイミングを考慮して頂ければ、むしろ高い効果が期待できる可能性があります。

  • 入院は必要ですか?

    点滴は30分程度で終わりますが、念のため半日程度預からせて頂くと安心です。

  • 費用はどのくらいかかりますか?

    投与回数、頻度により異なりますのでご相談ください。

幹細胞療法(治り難い病気に効果が期待できる治療法)

幹細胞療法(治り難い病気に効果が期待できる治療法)

適用例
椎間板ヘルニア 幹細胞が傷ついた脊髄の再形成・修復を促す
治りにくい骨 幹細胞が骨の細胞や、栄養を運ぶ血管に変化することで骨折部の修復を促す
腎炎・肝炎・慢性腸炎などの炎症疾患 幹細胞が炎症抑制物質を分泌することで、病気の進行を抑える
多発性関節炎などの自己免疫疾患 免疫のバランスを整える、痛みと炎症を和らげる、ステロイドの副作用を抑える
リウマチ、慢性腎臓病、レッグペルテス、ドライアイ、慢性口内炎といった多くの病気で治療報告があります。

動物の体には、さまざまな器官や臓器などに変化する(「分化する」といいます)細胞が存在します。この細胞は幹細胞(かんさいぼう)と呼ばれ、幹細胞療法とは、この細胞を体外で培養し、イヌやネコの体に戻してあげることで、失われた臓器や怪我の再生を行う治療法です。
幹細胞療法では、2種類の幹細胞を利用します。ひとつは骨髄に含まれる骨髄液中に存在する骨髄幹(こつずいかん)細胞、もうひとつは皮下脂肪の中に含まれる脂肪幹(しぼうかん)細胞です。
骨髄や皮下脂肪由来の幹細胞は、骨や、軟骨、筋肉や心筋細胞、そして血管を形作る細胞に分化することが知られています。幹細胞療法は、これらの分化する能力を利用することで、自分の細胞から必要な器官や臓器を「再生」させる治療法なのです。

脂肪幹細胞療法(ADSC療法)

脂肪幹細胞療法(ADSC療法)

脂肪幹細胞は皮下脂肪に存在しています。動物から脂肪組織を少しだけ採取し、幹細胞を単離、細胞を培養します。2週間かけて細胞の数を増やしてから、細胞を集め、洗浄して、患部への直接の注射や点滴によって体内に投与します。

よくあるご質問

  • 幹細胞の効果にはどのようなものがある?

    幹細胞は、骨折癒合不全や脊髄損傷、また炎症性の関節炎で治療の研究が進められています。骨折癒合不全では、幹細胞が骨の周囲にある骨膜(こつまく)や、骨細胞、また栄養を運ぶ血管に分化することで骨折部位を修復していくと考えられています。また、脊髄損傷では、幹細胞が血管へと分化し、損傷部位の血流を回復することで、神経細胞の伸長を補助したり、脊髄全体の再形成を促すと考えられています。関節炎では、幹細胞は関節に新たな軟骨や骨膜を形成させ、痛みを和らげたり、炎症を抑制させると考えられています。

  • どうやって脂肪を取るのですか?

    本人から手術によって取ることも可能ですが、若い健康な仔からとった細胞を利用できます。
詳しくはご相談ください。

  • 入院や費用について

    動物の状態や病気の種類によります。詳しくはご相談ください。

ページトップへ