【イヌ】【ネコ】他人事ではなかった!ワクチンによるアナフィラキシーショックについて①
2021.11.8 -[ご挨拶]
先日、思いがけないところでワクチンアレルギー(しかもちょっと重度のやつ)に遭遇し、全力で治療するはめになった獣医師youです。
登場人物紹介
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;筆者です。動物のお医者さんやってます。
思いがけない何か、によく遭遇します。
多分、油断しまくりで生きているからだと思います。
;動物看護師長。おたアヒママ(おたまアヒルのママ)。言いにくい。
突然の何かにはすぐに対応できない。
とっさの言い訳とか下手くそ。
;なんでなんで病真っ最中の3歳児。おたまと呼ばれる。
突然の何かに対しては大抵、フリーズする。
よく喋るのはテンション高めの時のみ。
;アヒル先生。新人2号。ようやく後頭部の毛が生えそろった1歳児。
世の中のほとんどが思いがけない何かだと思われる。
毎日新鮮で楽しいんだろうなぁ。
:訳あって集まって来た動物たち。
:やっぱりちょっと不思議な犬種。オーストラリアンラブラドゥードルのおこげ。
アレルギーというか、アナフィラキシーショックを起こした張本人。
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そういえばと思い、院内犬のおこげに混合ワクチンを打ちました。
まだまだ若いので、病院内でワクチンを打つのは初めて。
病院は色々な病気を持った動物が来る場所なので、しっかり予防をしています。
実はいつもの診察では、そんなにワクチンアレルギーに遭遇することって無いんです
あれだけたくさんワクチン打ってて年数回くらい。(病院の規模にもよるのかもしれませんが)
が、当院の病院犬おこげは打ってから数分でぐったりし始め、口の中が真っ白になってきたところで緊急の治療に入りました。
結果としては、2時間ほどで回復して点滴の管を噛みちぎって騒ぎ始めるほど。
病院犬としてはいかがなものかと思うほどのお騒がせ犬
本当に手がかかります…
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ということで、今回の教訓を元にワクチン後のアナフィラキシーショックについて解説していこうと思います。
世間でもコロナワクチンの副反応が…というニュースをよく聞きますが、ヒトでもワンちゃんでもほぼ同じことなので知っておくといいかもしれません。
今回のブログを読むことで、慌てずに対処できる様になっておきましょう。
○アレルギーアナフィラキシー
アナフィラキシーショック
まずはこの辺の言葉の意味から整理していきます。
・アレルギー
通常は体に害を与えない物質に対して、過剰に免疫が反応してしまうことです。
食べ物だったり薬物だったり。軽度のものから重度のものまで広い範囲の状態を指します。
・アナフィラキシー
アレルギーの中でも、全身に症状が現れる様なものを指します。
「全身」とは、皮膚や呼吸器、消化器、循環器などといったものです。
・アナフィラキシーショック
意識障害や血圧の低下など、ぐったりしてしまう様な重篤な状態です。
獣医さんが「これヤバいやつだ」と感じるやつです。
難しいことを言ってますが、治療としてやることは程度の差はあるにせよ、大体一緒なんですよね…。
○ワクチンに限ったことではない
今回はわかりやすいのでワクチンを例に出していますが、毒物や昆虫、食物、薬剤(これらのことを抗原と呼びます)など、どの様なものにも同じように反応することがあります。
反応の重症度や症状が出るまでの時間は、何が抗原になっているのか、どの様に体の中に入ってきたのかで違います。
例えば、
・虫に刺された、ワクチンを打った(筋肉内に抗原が入ってきた)
・抗菌薬を静脈から投与した
なんていうダイレクトに体の中に入ってくるタイプのものは、症状が出るまでの時間が短く、重篤なものになりやすいです。
○どんな症状なの
全身に出るものなので、そりゃ全身性の症状(適当)でs… ‘ ^’c彡☆))Д´) パーン
わかりやすく分類してみます
・循環器、呼吸器症状
最も重い症状です。(命に関わってくる器官の異常なので)
呼吸困難、呼吸が早い、チアノーゼ(舌が紫)、血の気がない(口の中が真っ白)、心臓の鼓動が早すぎる、ぐったりしているなど。
どれもヤバそうですよね。
・皮膚症状
割と多いのがこの症状。
顔が腫れる、痒がる、皮膚が赤い、蕁麻疹が出ているなど。
見た目でわかりやすいので、飼い主さんから言われることが多いです。
・消化器症状
吐く、下痢するなどです。
そのほかにも細かい症状はありますが、大まかにはこんな感じです。
○時間が経ってから出る症状ほど、重症度は低い
裏を返せば、症状がすぐに出た場合は重症であることが多いということ。
命に関わってくる呼吸器や循環器の症状は、特に5分以内に出てくることが多いです。
痒みや下痢などは5分以降〜24時間以内に起こることが多いです。
ですので、例えば「自宅に帰ってから下痢をし始めた」なんていうのは焦らなくていいので病院に行ってくださいという話になります。
当院の病院犬おこげがなったのは、アナフィラキシーショックでした。
ワクチン注射後1〜2分でぐったりしてしまうという、典型的なものでした。
次回は、治療や細かいポイントについて書いていきます。
では、また。
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“明日から使える生き物の不思議クイズ
”
Q;初夏の森で小鳥がさえずっているのはなぜ
A:居場所の連絡を取り合っている
B:縄張り宣言
C:鳴き声が大きい方がモテる
A;
小鳥とは、シジュウカラ、ウグイス、メジロ、ツムギ…などなど。
初夏は小鳥にとって子育てのシーズンです。
子育てにはたくさんの餌が必要となりますが、ある程度の広さの縄張りがないと十分は餌を確保することができません。
大きな声で鳴くことで縄張りを主張しているのですね。
ということで、答えはBの縄張り宣言でした
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〜番外編〜
「いつ覚えてくるのでしょう」
毎晩東京の空を見上げては
「星が見えないな〜」
と口すっぱく唱えている私、妻さんです。
本当に星見えないですよね…。
先日もおたまちゃんと2人、夜空を見上げて
「ホシナイネェー」
とお話ししていたら、
赤く点滅しながら空をゆっくり横切る小さな光が
💭(教えたことないし、おたまちゃんはあれもお星様だと思ってるんだろうなあ)
と、隣を見ると、
「ママ!ちがーよ。あれは、お星様じゃなくて飛行機だよぉ。」
と、何故か鼻で笑われました
「え…」
なぜか、私がバカにされました
一体どこで、覚えてくるんでしょう。
高い所は苦手なおたまちゃんの図
今週はここまで!
最後までお付き合い頂き、ありがとうございます
また、来週